量子結晶バイオチップが完成いたしました
2009-03-10
近年、表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance:SPR)と呼ばれる物理現象が実用化されています。この現象は、金属表面の自由電子が光などの外部電場によって集団的に振動する現象です。分子が金属表面に吸着すると、表面増強ラマン散乱(Surface Enhanced Raman Scattering:SERS)が発生し、単一分子からでもラマンスペクトル測定が可能となります。SERSは超高感度分析が可能であり、世界中でSPRを応用するための研究が進んでいます。「次世代の夢の高感度分析法」として注目を集めています。
しかし、ナノ微粒子を規則的に並べ再現性良くSERSに応用できる基礎技術は未だ開発されておらず、新たなナノ粒子制御技術が求められています。当社では、従来の物理的加工法によらない化学的手法の新技術で、量子結晶と過酸化銀メソ結晶(3次元自己組織化結晶)の開発に成功しました。この技術によって作られた物質は、著しい電場増強や強い分子吸着(量子効果)があり、SERSによる分子測定の実用化を可能にしました。